猫の為に動物病院を選んでいますか?猫はストレスを感じて不安に思っていても話すことができません。飼い主さんは、猫が苦手な動物病院を少しでもストレスなく通えるようにしてあげる事が大切です。
猫を動物病院へ連れて行く時に、何を基準に病院を選べばよいのか。また、通院や入院時に気を付けたい事、猫の医療費はいくらくらいかかるのか。猫の終末の医療について解説していきます。
猫魔王
おぬしが選ぶ動物病院のポイントとは何かのう?
やっぱり家から近い所がいいのにゃ!
後は、先生が優しいとうれしいのにゃ。
猫子分
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他にはどんな所に気を付けて選べば良いのか一緒に見てみよう。
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目次
猫に合う動物病院の選び方
元気な時には年に1回の健康診断やワクチン接種ぐらいしか行く機会のない動物病院。しかし、猫が歳を取るにつれて、病気や体調不良で動物病院に行く回数が徐々に増えてきます。
これから長い付き合いになる動物病院はどんな所に気を付けて選べばよいのでしょうか。
先生とコミュニケーションがとれるか
どんなに医療が充実している動物病院でも、担当医とのコミュニケーションが取れなければ意味がありません。飼い主さんが家で起きた猫の症状をいくら説明しても話を聞いてくれない先生や、病状を分かりやすく説明してくれない先生には困ってしまいますよね。意思疎通ができなければ信頼関係を築くのは難しいかもしれません。
分からないことを気軽に聞ける
診察をした時に気が付かなかった疑問に思った事や、分からない事を後から聞きたくても質問できない事って多いですよね。先生が忙しいそうだったり、病院に電話をしても受付の対応が素っ気ないと聞きづらいものです。そんな時に気軽に相談できるスタッフや先生がいると安心ですよね。わからない事や不安に思ったことはどんどんスタッフや先生に質問するようにしてくださいね。
通いやすい場所
家から動物病院まで遠すぎても通いづらく大変ですよね。猫の体調が良い時には平気かもしれませんが、具合の悪い時に移動時間がかかってしまうと悪化の原因になってしまうかもしれません。
病気によってはこまめな通院が必要かもしれません。そんな時には、やはり近場の方が猫の負担もかからずに済みます。また、近くであれば往診に対応している動物病院もあるのでいざという時に助かりますね。
猫を大切に扱ってくれる
動物病院が苦手な猫にとって、単に診察するだけでなく、猫の様子を気に掛けてくれる先生や看護師さんがいると猫にとっては良いと思います。猫が落ち着けるように飼い主さんに保定(逃げないように押さえる事)の補助をお願いしたり、優しく話かけてくれると猫の緊張感が和らいで落ち着いてくれるので安心できますね。
猫の病気に対応している動物病院か
最近では、猫の専門病院も増えてきています。専門性のある治療ができる病院も選択肢の一つになりますね。
診察費は明確かどうか
動物病院は自由診療なので病院によって診察費にはかなり差があります。診察費の明細や病院のHPを確認して自分の通っている動物病院の料金が高くないか、確認するようにしましょう。
時間外に対応してくるか
動物病院によっては、時間外でも電話やメール対応や往診をしてくれる病院があります。対応できない病院でも他の病院を紹介してくれる場合もあるので一度相談するのもよいかもしれませんね。
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だが、話やすいスタッフがいると安心できるのう。
先生に聞けない些細な事もスタッフに相談できれば助かるのにゃ。
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猫にストレスがかからない通院方法とは
猫を動物病院に連れて行くのは、猫にとってはかなりのストレスです。少しでもストレスを感じないように病院に連れて行くにはどうしたらよいでしょうか。猫が快適に通院できるようにいくつかのポイントをまとめてみました。ぜひ参考にしてくださいね。
キャリーバッグに入るのを嫌がる猫には
通院に必ず必要なキャリーバッグ。頭の良い猫だと「キャリーバッグに入る=病院に連れて行かれる」と察知してしまいキャリーバッグにすんなりと入ってくれない猫も少なくないはずです。キャリーケースに入るのを嫌がる猫には、普段から部屋の片隅にキャリーバッグを置いて、いつでも出入りできるようにするとすんなりと入ってくれるようになります。また、お気に入りの毛布やおもちゃ、おやつなどを入れておくのも良いかもしれません。
猫が落ち着けるキャリーバッグを探す
通院時に猫が怖がったり、興奮しないようなキャリーバッグを選ぶようにしてください。キャリーバッグには様々な種類があります。猫に合ったキャリーバッグを選んでストレスを軽減するようにしてくださいね。
キャリーバッグの種類
・リュックタイプ(外を見たい猫にオススメ)
外が良く見える通気性の良いメッシュタイプや、小窓のみであまり外が見えないタイプなど、リュックタイプにもいろんなデザインがあります。リュック自体が軽いので取り扱いが簡単なのは良いですね。ただ、布製はお手入れに少し気を使うので、粗相をしてしまう猫にはプラスチック製だとお手入れが簡単なのでオススメです。また、体重の重い猫にもプラスチック製は頑丈なので安心できますね。
・プラスチック製のコンテナタイプ(大型猫にオススメ)
サイズも豊富にあるので大型の猫でも窮屈さを感じずに入ることができます。猫の出し入れも簡単にでき、扉もしっかりしているので脱走の心配もありません。プラスチック製なのでお手入れも簡単です。しっかりとした作りなので女性にはやや重たく感じるかもしれません。
・バスケットタイプ(子猫や小さめの猫にオススメ)
コンテナタイプより小さめなサイズで軽いのが特徴です。かわいいデザインが多く、子猫や身体の小さい猫にはオススメです。種類やデザインが豊富にあり、布製、プラスチック製、籐製などがあります。
キャリーバッグと言ってもいろんなタイプの種類があります。力の強い猫や脱走癖がある猫には頑丈なキャリーバッグが良いですし、怖がりで怯えてしまう猫には外が見えずらいキャリーバッグがオススメです。ぜひ、猫に合ったキャリーバッグを選ぶようにしてくださいね。
猫は不安感を察知する
病院へ連れて行く時や、病院の待合室で待っている時に、飼い主さんが不安そうにしていたり、落ち着かないそぶりを見せると、猫にも緊張感や気持ちが伝わって不安になってしまいます。なるべく普段通りに接するようにして、優しく声をかけるようにあげてくださいね。
人ごみを避ける
交通機関を利用して動物病院に行く場合には、混雑する時間を避けるようにしましょう。また、人ごみや騒音のうるさい場所にいると猫が怖がってしまったり、怯えてしまいます。静かな時間帯や人が少ない場所を移動すると猫へのストレスが軽減されます。
診察までの待ち時間を減らそう
猫は知らない場所や落ち着かない場所にストレスを感じてしまいます。病院の待合室で長時間待機していると、知らない人や、他の猫や犬の匂い、鳴き声に不安や恐怖心が募ってしまい、病院嫌いがエスカレートしてしまう事も。そんな時は、外が見えないように目隠しをしてあげたり、優しく声をかけてあげるようにしてください。
また、診察時間を予約できる病院であればあらかじめ予約しておいて、すんなりと診察できるようにしてあげしまょう。車が慣れている猫であれば、診察までの時間は車の中で待機するのもオススメです。
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お気に入りの物をキャリーに入れると猫がリラックスできる場合もある。知らない場所や落ち着かない場所は猫にとってはストレスでしかないからのう。少しでも安心できるように工夫をして欲しいぞ。
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猫が入院した時に準備しておく事
入院する事になったら何か用意するのもがあるのか心配になってしまいますよね。動物病院によって違いがありますが、基本的には何も持っていく必要はありません。毛布やトイレシーツ、食事は病院で用意してくれます。しかし、猫は知らない場所や知らない匂いに戸惑ってしまい、慣れるまでは落ち着かないはずです。そんな時に自分の匂いが付いた毛布やお気に入りのおもちゃがあると安心できるので、持っていく場合には入院前に相談してみてください。また、入院中にご飯を食べるか心配な時には、いつも食べているおやつやフードを少量持っていくと安心できますね。
事前に面会できる時間を調べておこう
急に会いたくなって病院に行ったものの、病院が混みあって面会できなかったり、面会時間が過ぎていて会えなかったりしては寂しいですよね。病院によっては面会時間が決まっている事や、事前に予約が必要な場合もあります。面会に行く前には必ず病院に確認の電話を入れてから会いに行くようにしましょう。
面会中はとくかく声をかける
入院中の猫が元気にしているか、ご飯はちゃんと食べているのか心配になってしまいますよね。面会は飼い主さんにとって猫と触れあえる貴重な時間であり、猫も飼い主さんと合えるのを楽しみにしているはずです。飼い主さんの愛情に触れる事で体調が上向きになるかもしれません。長い時間一緒にいる事はできませんが、短い時間でも猫にたくさん話かけて、たくさん撫でて愛情を注いであげてくださいね。
入院費の見積もりを聞いておく
どのぐらい入院費がかかるのかおおよそでもいいので、事前に病院のスタッフに聞いおくと良いかもしれません。病院によって1泊の入院費や処置代に差があるのでわかる範囲内でも事前に調べておくと後から支払いの時に慌てずに済むはずです。
すぐ病院に行ける準備をしておく
入院中に猫の容態が急変してしまう事があるかもしれません。そんな時にすぐに病院と連絡が付くようにしておかないと、いざという時に間に合わない!なんて事があるかもしれません。そうならない為にも、「日中は携帯電話へ夜は自宅へ連絡してください。」と、あらかじめ病院側と連絡先を決めておくと安心ですね。
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猫の医療費の目安
若い時はワクチンや健康診断以外ではお世話になる事がなくても、猫が年齢を重ねるにつれて病院にお世話になる回数は徐々に増えてくるものです。実際に、病気になって高額な医療費に悩まされる前に、いまから備えておくことが大切です。そんな高齢猫にかかる医療費について考えてみましょう。
猫の医療費ってどのくらいかかるの?
猫に年間掛かる医療費は1万円~3万円までが約30%、5万円~10万円までが12%と、猫の医療費は意外と高額です。ペットは人間のような健康保険が無く医療費は飼い主さんの全額自己負担です。なので、大きな病気や手術をすると、どうしても高額になってしまいます。
・元気がない・食欲が無い時のおおまかな診察料
症状 | 診察料 | 検査・治療費 | 薬代 |
---|---|---|---|
軽度 | 500円~ | 点滴・注射 2,500円~ | 200円~/日 |
中度 | 500円~ | 点滴・注射 2,500円~ 血液検査 5,000円~ | 200円~/日 |
重度 | 500円~ | 点滴・注射 2,500円~ 血液検査 5,000円~ レントゲン検査 超音波検査 6,500円~ | 200円~/日 |
猫の医療費はどんな治療や検査をするかによって料金はかなり変わってきます。例えば、少し元気がなく、食欲がない症状で診察した場合に、症状が軽度であれば、点滴と注射、1週間分の薬代で約5,000円ほどかかります。(あくまで一般的な治療例とおおよその目安の金額です。)症状の度合いによっては、注射本数を追加したり、血液検査やレントゲン検査、超音波検査などが必要になってきます。この場合の医療費はおおよその目安として約2万円前後ほどかかってしまうようです。
ペット保険をうまく活用しよう
ペット保険とは、保険料を支払うと医療費の一部を補償してくれるものです。ペット保険の補償対象は、通院、入院、手術をした場合に補償されますが、先天性の疾患や避妊去勢手術、ワクチン接種、健康診断は保険の対象外になってしまいます。
保険の種類によっては、加入できる年齢が決まっていたり、補償される割合が変わってきたりします。また、更新時の年齢によって保険料が上がってく事があるので前もって確認するようにしましょう。
・保険金の支払限度額と利用日数
・医療費の補償される割合
・保険金の請求方法(※)
・年齢によって変わってくる保険料
※ 保険金の請求方法
- 窓口精算
動物病院の窓口で保険が適応されるので、保険の補償額を差し引いた額を支払う方法です。 - 立替(後日)精算
動物病院の窓口では全額を支払い、後から保険会社に申請をして補償額を受け取る方法です。
任意のペット保険に加入をすると、保険のプランによって医療費が何割か戻ってくるので、医療費に不安を感じている方にはペット保険に加入すると安心ですね。今では、様々なペット保険があり、通院・入院・手術を50%~70%補償するものや、手術・入院に特化した保険などもあります。よく考えて、自分に合った保険を選ぶようにしてくださいね。
入院費は病院によって違う
動物病院の診察料は自由診療なので、病院ごとに値段が違います。特に、24時間看護の設備が整っている病院では1泊の入院費が1万円~なんて所もあります。猫の病状や症状によってどの病院に連れて行くのか、前もって入院費がいくらぐらいかかるのかをチェックしておくと良いかもしれませんね。
猫貯金をしておく
そんなに病院に行かないのにペット保険に入るのがもったいないと思っている方には、いざと言う時の為に猫貯金をしておくのも良いかもしれません。
早いうちから毎月少しずつ貯金をしておくと、医療費が高額になってしまっても備えがあると安心ですよね。
かかりつけ医に相談する
もしも、入院費や治療代が高額になって困ってしまう場合には、かかりつけ医に相談してみましょう。医療費を抑える治療方法の提案や医療費の分割に応じてくれる病院もあります。今後の治療方針も含めて一度相談するようにしてください。
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猫の終末期の治療について考えておく
飼い猫が老いてくるといずれは考えなければいけないのが、猫の終末期についてです。飼い主さんは猫の終末期の治療をどうするべきか、いつかは決断しなくてはならない時がやっています。
そんな時に備えて、今のうちから終末期の治療の心構えやどうするべきかを家族で相談しながら方針を決めるようにしてくださいね。
治療するメリット・デメリットを把握する
猫の終末期での治療は、子猫や成猫を治療する考えとは少し異なります。終末期でも治療して治る見込みのあるものには積極的に治療をしたほうが良いですが、完治する見込みのない場合には、治療が猫にとって苦痛やストレスを与える原因になってしまう恐れがあります。「治る見込みのある治療なのか」「身体が治療に耐えられるか」をかかりつけ医とよく相談し、治療のメリット・デメリットを把握してから治療方針を決めるようにしましょう。
どんな治療をどこまでするかみんなで話し合う
愛猫の治療をどこまでするべきかは人によって考え方は様々です。家族の間でも意見は違って喧嘩になってしまうかもしれません。そうならない為にも、事前にどんな治療をどこまでするべきかみんなで話し合って共有するようにしましょう。
ターミナルケアを取り入れる選択も
ターミナルケアとは終末期医療とも呼ばれ、完治が難しい病気で苦しむ猫に「痛みを和らげる」「穏やかに過ごせるように」と、穏やかな生活が送れるようにサポートする事が目的のケア方法です。ターミナルケアを行うにはどんな治療を行うのか、自宅でのケア方法などをかかりつけ医とよく相談をする必要があります。もし、考えているようであれば一度病院で聞いてみるようにしてくださいね。
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猫に合った動物病院の選び方と医療費の話 まとめ
いかがでしたでしょうか。動物病院選びは飼い主さんや猫にとって重要な選択の一つです。猫に合った動物病院を選ぶことで猫のストレスを軽減することができるのは飼い主さんにとっても安心できますよね。最後に、動物病院の選び方と医療費についてまとめたのでぜひお読みください。
猫に合う動物病院の選び方
どの動物病院を選択するかの基準は人それぞれです。通いやすい近場の動物病院や、話しやすい先生がいる動物病院を選ぶのも良いと思います。他には下記のような基準も飼い主さんや猫にとって大切な基準なのでぜひ参考にしてくださいね。
選び方のポイント
- 先生とコミュニケーションがとれるか
- 分からないことを気軽に聞ける
- 通いやすい場所
- 猫を大切に扱ってくれる
- 猫の病気に対応している病院か
- 診察費は明確かどうか
- 時間外に対応してくるか
猫にストレスがかからない通院方法とは
猫は知らない場所や知らない匂いにしても敏感に反応し、不安やストレスを感じてしまいます。知らない場所に不安を感じてしまう猫には、外が見えにくいキャリーバックを使うようにしましょう。また、匂いに敏感な猫には、キャリーバッグの中にお気に入りの毛布やおもちゃを入れて自分の匂いがするように安心させてあげてください。
病院の待合室での待ち時間も猫にとってはストレスを感じてしまいます。病院によって異なりますが、診察時間を予約できる病院は待ち時間を短縮する事ができるので、ぜひ予約するようにしましょう。
猫が入院した時に準備しておく事
動物病院によって違いはありますが、基本的には病院ですべて用意してあるので特に必要に物はないようです。しかし、普段と違う場所や匂いに戸惑って不安を感じてしまう猫は少なくないので、落ち着けるように愛用の毛布やおもちゃを持っていくと良いかもしれませんね。また、病院で出されるフードを食べない場合もあるので、いつも食べているフードを少量持って行くと安心です。必ず持ち込む場合には、病院スタッフに相談してから持って行くようにしてくださいね。
猫の医療費の目安
猫の医療費は飼い主さんの全額自己負担になってしまうのでどうしても高額になってしまいがちです。しかし、動物病院は自由診療なので病院によって検査代・治療費に大きな差があります。
元気がない・食欲が無い症状で病院に行った場合、一般的な動物病院で診察を受けると、最低でも、診察料+点滴・注射+1週間の薬代で約5,000円前後かかってきます。その他に、血液検査、レントゲン検査、超音波検査を行うと約20,000円前後かかります。検査をするとどうしても高額になってしまうようですね。病院によって検査代・治療費の値段はかなり異なってくるので、お世話になる動物病院の医療費がどのぐらいかかるのかチェックするようにしましょう。
猫の終末期の治療について考えておく
猫の終末期にどこまで積極的に治療するか、または、残りの猫生(人生)を自宅で穏やかに過ごせるように緩和ケアをするのか、どうするかを選択する日が必ず訪れます。いきなり決断するのはかなり難しいですよね。普段から少しずつでも良いので猫の終末期について家族みんなで話し合う機会を作るようにしてください。何回も話し合う事でいろんな意見が出てくるはずです。そんな中で、後悔のない答えをみんなで出せるとよいですね。
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ぜひ猫と飼い主さんに合った動物病院に巡り合えると良いのう。